はじめに──“サングラスの人”という印象
鈴木雅之と聞いて、まず頭に浮かぶのはあの黒いサングラス。
ライブ映像でも、テレビ出演でも、デビュー当時から変わらず彼の顔を覆い続けています。
「サングラスをかけたラブソングの帝王」──それは、いまや誰もが抱くイメージでしょう。
けれど、その理由を知っている人は意外と少ないかもしれません。
今回は、彼がなぜサングラスをかけ続けてきたのかを、時代背景やエピソードを交えながら掘り下げてみます。
デビューから受け継がれたスタイル
鈴木雅之がサングラスをかけ始めたのは、シャネルズのデビュー時にまでさかのぼります。
1980年、「ランナウェイ」で鮮烈なデビューを飾った彼らは、黒く顔を塗り、サングラスというスタイルで登場しました。ちなみに、デビュー時は”CHANELS”でしたが、後に”SHANELS”に変更しているんです。
アメリカのドゥーワップグループに倣ったそのファッションは、当時の日本の音楽シーンではとても珍しく、強いインパクトを残しました。
その中でフロントマンとして歌っていた鈴木雅之の姿は、すぐに「サングラスの男」として定着していったのです。
サングラスをかける理由
では、なぜ彼は40年以上もサングラスを外さずに歌い続けてきたのでしょうか。
ステージの強い照明から目を守るため
実用的な理由のひとつに、強い光への対策があります。
ステージのライトは想像以上にまぶしく、長時間浴び続けるのは大きな負担。
鈴木本人も「ライトがきついから、サングラスをしていた方が楽なんだ」と語ったことがあります。
歌に集中してもらうための演出
もうひとつは「歌そのものを聴かせたい」という思い。
サングラスで表情を隠すことで、観客は彼の目元の動きに気を取られることなく、声や歌詞に集中できます。
恋の歌を歌うとき、聴く人それぞれが自分の体験を重ねやすいのも、このスタイルの効果かもしれません。
プロとしての“ユニフォーム”
鈴木雅之にとって、サングラスはもはや仕事着のような存在です。
「ステージに立つときのユニフォーム」として欠かせないものになり、彼の覚悟やプライドを示す象徴となりました。
トレードマークとしての存在感
長年にわたりサングラスをかけ続けたことで、それ自体が彼のキャラクターの一部になりました。
誰もが「あのサングラスの人」と認識できる──これはアーティストとしての大きな強みです。
彼が愛用しているブランドは”CAZAL642-3”。デザインがクールでおしゃれですよね。
また、サングラスが生み出す“謎めいた雰囲気”は、ラブソングを歌う鈴木雅之の魅力を一層引き立てています。
感情をあからさまに見せるのではなく、声に込めたニュアンスで聴く人の心を揺さぶる。
そのバランス感覚が「ラブソングの帝王」と呼ばれる理由につながっているのではないでしょうか。
ファンにとってのサングラス
コンサート会場に行くと、同じようなサングラスをかけているファンの姿を見かけます。スーツ着てちょっと猫背で歩いていたりとか。
それだけ彼のスタイルは憧れの対象になり、ファッションアイコンとしても受け止められているのです。
さらに、どんな時代でもスタイルを変えないことで「ブレない人」という信頼感を生み出しました。
サングラスは彼の音楽だけでなく、生き方そのものを映し出しているように思えます。
まとめ──鈴木雅之らしさの象徴
鈴木雅之がサングラスをかける理由は、単なるファッションではありません。
強い照明を避けるための実用性、歌に集中してほしいという演出、そしてアーティストとしての信念。
そのすべてが重なり合って、唯一無二のスタイルを作り上げてきました。
ちなみに、彼の愛称の”マーチン”の由来は、まさゆきからの”マーチン”ではなく、中学時代に好きだった、イギリスの名車、アストンマーティンからきてるんですよ。
サングラスは、彼にとって“音楽を届けるための道具”であり、同時に“生き方の象徴”。
これからも鈴木雅之は、サングラスと共に歌い続け、私たちにラブソングを届けてくれるでしょう。